吉原・今戸界隈

吉原大門跡

 浅草界隈から北へ1㎞ほど、東京メトロ日比谷線三ノ輪駅から南東へ1㎞ほどのところの交差点に、吉原大門跡地があります。

 ここは江戸時代、遊郭で賑わった地域で、この交差点はその入り口である大きな門があったそうです。その面影は今はほとんど見る影もありませんが、「吉原大門」という地名は今も残っており、交差点の角には、当時遊郭界隈にたくさんあったであろう柳の木が一本だけ残っています。この柳は「見返り柳」と言われ、当時遊郭を後にした客が名残惜しんで振り返ったことからその名がついたそうです。

吉原大門跡
吉原大門跡

樋口一葉旧居跡

 吉原大門から西へ400mほど行ったところに、樋口一葉旧居跡の碑が立っています。

 明治期の作家である樋口一葉は今の千代田区内幸町界隈で生まれ、その後転居を繰り返したそうで、一時期ここにも居を構えました。代表作である「たけくらべ」「にごりえ」は、ここに住んでいた頃に執筆されたそうです。

樋口一葉旧居跡
樋口一葉旧居跡

一葉記念館

 樋口一葉旧居跡から北東へ150mほど行ったところに、一葉記念館があります。

 この記念館は一葉の代表作が執筆されゆかりのあるこの地に1961年に開館し、その後一葉が五千円札の肖像に採用されたことなどを機に、2006年にリニューアルオープンされたそうです。

一葉記念館
一葉記念館

「たけくらべ」記念碑

 記念館の前の一葉記念公園にある「たけくらべ」の記念碑。

「たけくらべ」記念碑
「たけくらべ」記念碑

千束稲荷神社

 一葉記念館から西へ国際通りを横切って300mほど行ったところに、樋口一葉の「たけくらべ」にゆかりのある千束稲荷神社があります。「たけくらべ」にこの神社がモデルとなった神社が出てくるそうです。

千束稲荷神社
千束稲荷神社

樋口一葉像

 千束稲荷神社の境内にある樋口一葉の胸像。

樋口一葉像
樋口一葉像

泪橋

 吉原大門から北東へ500mほど行ったところに、泪橋の交差点があります。

 泪橋と言えば「あしたのジョー」の主人公のボクサー・矢吹丈が生涯のセコンド・丹下段平と出会った運命の場所であり、その後ジムを構えた本拠地であり、「明日のジョー」ファンにはたまらない場所です。

 矢吹丈と丹下段平は、ここ泪橋を逆にわたり、世界戦へと突き進んでいきました。

泪橋
泪橋

 泪橋界隈の風景。「あしたのジョー」では日雇い労働者の街として描かれました。今は観光客向けのホテルなどが多くなったものの、その面影はまだ残っています。

 漫画「あしたのジョー」に登場する、ジョーとチビ連たちが遊んだ玉姫公園もあります。

今戸神社

 吉原大門から南東に約700m、浅草寺から北東に約700mほど行ったところに今戸神社という神社があり、ここは「招き猫発祥の地」、「今戸焼発祥の地」、そして新選組一番隊組長の沖田総司の終焉の地とも言われています。

今戸神社
今戸神社

沖田総司終焉の地碑

 神社の境内にある沖田総司終焉の地碑。沖田総司は後の新選組を題材としたドラマ・映画等でも美男子で若くした亡くなった悲劇の剣豪として描かれることが多く、当時結核を患っていた沖田総司を診ていた松本良順がここ今戸神社を仮の住まいとしていたことから、終焉の地とされているそうです。

沖田総司終焉の地碑
沖田総司終焉の地碑

待乳山聖天(本龍院)

 今戸神社から南へ300mほど行ったところに、待乳山聖天(まつちやましょうでん)、別名「本龍院」という寺があります。

池波正太郎生誕の地碑

 待乳山聖天のふもとに、池波正太郎生誕の地碑があります。

 小説家・池波正太郎は1923年にこの地に生まれ、「真田太平記」や「剣客商売」など多くの歴史小説を執筆し、1990年に67歳でこの世を去りました。

池波正太郎生誕の地碑
池波正太郎生誕の地碑